
書面によらない贈与は、各当事者が撤回することができます。ただし、履行の終わった部分は撤回ができなくなります。
書面によらない贈与が撤回できるのは、贈与者の意思が書面等により客観的に明確になることを待つことで将来の紛争を防止することや、軽率な贈与を防止するためといわれています。
履行の終わった部分は、撤回できないとなっていますが、履行が終わったとは、以下のような場合です。
1.100万円の贈与契約を結び、30万円を渡した場合
残りの70万円についてのみ撤回ができ、支払った30万円を返してくれとは言えません。
2.動産不動産の場合
動産の場合は引渡し、不動産の場合は引渡しまたは登記のいずれかがなされた時点で履行が終わったといえますので、返してくれとは言えません。
3.農地の場合
引渡があっても、農地法所定の許可がなければ履行が終わったといえませんので、撤回が可能です。ただし、許可申請書に贈与の意思が明らかにされていれば書面による贈与とみなされ撤回はできません。