商業登記 Q&A

商業登記に関しまして、『よくあるご質問』をまとめました。

役員変更 Q&A

商号変更・目的変更・本店移転 Q&A

増資 Q&A

解散・清算 Q&A

Q 会社の役員には、どのような種類があるのでしょうか?

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取締役、代表取締役、社外取締役、執行役、代表執行役、監査役、社外監査役、会計参与等があります。

なお、役員等という表現の場合には、会計監査人を含みます。

Q 役員の中に、会計参与という聞き慣れないものがありますが、どんな役員なんでしょうか?

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平成18年5月1日施行の会社法においてはじめて設けられた制度です。会計参与は、取締役または執行役と共同して、計算書類等を作成する会社の任意機関です。

公認会計士、監査法人、税理士、税理士法人でなければ会計参与にはなれません。

Q 未成年者であっても、取締役になれるのでしょうか?

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未成年者であっても、意思能力がある限り、取締役に就任することができます。ただし、法定代理人(親権者)の同意が必要となります。

ちなみに、取締役になることができない者は、以下のとおりです。

  1. 法人
  2. 成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これらと同様に取り扱われている者
  3. 会社法、中間法人法等に定められた罪によって刑に処せられ、その執行を終わった日又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過していない者
  4. 会社法331条1項3号に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終えるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(ただし、刑の執行猶予中の者はこれに当たらない)

当然のことながら、在任中の取締役が上記に該当することになったときにも、資格喪失となり退任することになります。

なお、取締役と監査役は兼任することができません。

Q 取締役の人員数は、何か決まりがあるのでしょうか?

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取締役の員数は1人以上であればいいです。ただし、取締役設置会社にあっては、3人以上でなければなりません。また、定款で、取締役はそれ以上と決めることもできます。

もし、法律又は定款で定めた取締役の員数を欠くことになった場合には、遅滞なく取締役の選任手続きをしなければなりません。なお、この場合において、任期満了又は辞任によって退任した取締役の場合には、会社法により、新たに選任された取締役が就任するまで、取締役の権利義務を有するとされています。

Q 取締役の任期は、何か決まりがあるのでしょうか?

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取締役の任期については、会社法で以下のように決まっています。

  1. 取締役の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までである。ただし、定款又は株主総会の決議によって、その任期は短縮することができる。
  2. 公開会社でない株式会社(全ての株式に譲渡制限をつけている株式会社のこと)は、定款によって、取締役の任期を選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することができる。
  3. 委員会設置会社(経営の監視機能として監査委員会・指名委員会・報酬委員会を常設し、業務の執行を取締役に代わって執行役が行なう会社のこと)の取締役の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとなる。
  4. 次に掲げる定款の変更をした場合には、取締役の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。
    ア 委員会を置く旨の定款の変更
    イ 委員会を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更
    ウ 発行する株式の全部の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを廃止する定款の変更
    (つまり非公開会社から公開会社となる定款変更をしたとき)

Q 株式会社の種類によって、特定の役員が必要な場合があるのでしょうか?

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会社法で定められているものを、以下に簡単に示します。

  1. すべの株式会社には、取締役を置かなければなりません
    (ちなみに株主総会もです)
  2. 会計参与を置くか置かないかは任意です
  3. 公開会社には、取締役会を置かなければなりません
  4. 監査役会設置会社には、取締役会を置かなければなりません
  5. 委員会設置会社には、取締役会を置かなければなりません
  6. 委員会設置会社以外の取締役設置会社には、監査役を置かなければなりません
  7. 委員会設置会社以外の取締役設置会社であっても、非公開会社であって会計参与設置会社であれば、監査役を置くことは不要です
  8. 委員会設置会社以外の会計監査人設置会社には、監査役を置かなければなりません
  9. 委員会設置会社には、監査役を置いてはいけません
  10. 非公開会社であって非監査役会設置会社かつ非会計監査人設置会社である株式会社には、定款で監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定することができます(通常は、業務監査等もあります)
  11. 委員会設置会社には、会計監査人を置かなければなりません
  12. 公開会社であって大会社かつ非委員会設置会社には、監査役会及び会計監査人を置かなければなりません
  13. 非公開会社であって大会社には、会計監査人を置かなければなりません

    ちなみに大会社とは、簡単に言うと、資本金が5億円を超しているか、または負債が200億円を超している株式会社のことです。

Q 商号変更の手続きは、どのようにすればいいのでしょうか?

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商号の変更は、株主総会の特別決議により、定款を変更することによって行います。

商号を変更した場合には、本店及び支店の所在地双方において、変更の登記をしなければなりません。申請1件につき、本店所在地では3万円、支店所在地では9,000円の登録免許税がかかります。

なお、商号の留意点として以下があります。

  1. 使用可能な文字
    ローマ字(A〜Z)、アラビア数字(0〜9)、「&」、「’」、「,」、「−」、「.」、「・」
  2. 商号の選定に関する制限
    ・株式会社であれば「株式会社」という文字を使用しなければならない
    ・法令による名称使用制限(銀行でなければ「銀行」を使ってはいけない等)
    ・公序良俗に反する商号は禁止
    ・「支店」「支社」「支部」「出張所」という文字は禁止
    ・「事業部」「出版部」「販売部」のような名称は禁止
  3. 既に登記した商号と同一の商号を用い、かつその本店所在地が同一であるときは禁止

Q 目的変更の手続きは、どのようにすればいいのでしょうか?

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目的の変更は、株主総会の特別決議により、定款を変更することによって行います。

商号を変更した場合には、本店の所在地において、変更の登記をしなければなりません。申請1件につき、3万円の登録免許税がかかります。

なお、目的の留意点として以下があります。

  1. 具体性
    会社の目的をどの程度具体的に定めるかは、会社が自ら判断すべき事項であり、
    登記官による審査の対象とはなりません。
  2. 明確性
    語句の意義が明確であり、一般人において理解が可能でなければなりません。
  3. 適法性
    強制法規または公序良俗に反する事業を目的とすることはできません。
  4. 営利性
    利益を取得する可能性の全くない事業を目的(例:政治献金)とすることはできません。

Q 本店移転の手続きは、どのようにすればいいのでしょうか?

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本店の移転は、その所在地である最小行政区画が変更になる場合には、株主総会の特別決議により定款を変更した上で、取締役会の決議(会がない場合は取締役の過半数の一致)により、移転の時期及び場所を定めることによって行います。

登記手続きは、管轄区域内の移転か区域外への移転かで分かれます。管轄区域内の移転の場合は、申請書を所在地の登記所に提出します。申請1件につき3万円の登録免許税がかかります。管轄区域外への移転の場合は、旧所在地における登記と新所在地における登記の申請書とを、同時に旧所在地を管轄する登記所に提出します。旧所在地の登記所において申請1件につき3万円が、更に新所在地の登記所において申請1件につき3万円の登録免許税がかかります。

Q 支店の設置・移転・廃止の手続きは、どのようにすればいいのでしょうか?

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支店とは、本店とは別に独自に営業活動を決定し、対外的な取引をなしえる営業所の実質を備えるものをいいます。

支店の設置・移転・廃止は、取締役会の決議(会がない場合は取締役の過半数の一致)により、移転の時期及び場所を定めることによって行います。

支店の設置・移転・廃止をした場合には、本店の所在地だけではなく、支店の所在地においても登記をする必要があります。本店所在地における登記では、支店の設置については支店1か所につき6万円、移転については支店1か所につき3万円、廃止については申請1件につき3万円の登録免許税がかかります。支店所在地における登記では、9,000円の登録免許税がかかります。

Q 株式会社は、どういった時に解散するのでしょうか?

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株式会社は、下記の事由によって解散します。
  @定款で定めた存続期間の満了
  A定款で定めた解散事由の発生
  B株主総会の特別決議
  C合併(合併により会社が消滅する場合に限る)
  D破産手続開始の決定
  E裁判所の解散命令
  F休眠会社(最後の登記の日から12年を経過した会社)につき法務大臣の官報
   公告がされた後2か月の期間の満了
  G一定の営業に係る免許等の取消し

Q 株式会社が解散した時には、登記が必要なのでしょうか?

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解散したときは、上記回答のうち@〜Bまでについては、会社(代表清算人)は解散の登記をしなければなりません。

Cについては、吸収合併存続会社又は新設合併設立会社が、合併による変更又は設立の登記と同時に、消滅会社につき合併による解散の登記を申請しなければなりません。

DとEについては、裁判所書記官から登記の嘱託(官公署が登記所に登記を申請する行為のこと)がされます。Fについては、登記官が職権で解散の登記をします。

ただし、Gについては、その根拠法に主務大臣の嘱託による旨の規定がない限り、会社(代表清算人)は、解散の登記を申請しなければなりません。

Q 解散する時には清算人を決めなければならないと聞いたのですが、誰がなるのでしょうか?

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最初の清算人は、下記の者がなります。

  1. 定款で定める者
  2. 株主総会の普通決議によって選任された者
  3. これらの者がないときは、清算開始時の取締役
  4. これらにより清算人となる者がいないときは、裁判所が選任した者(ただし、解散命令又は解散判決によって解散した場合には常にこの方法によります)

    なお、清算人は1人でも差し支えなく、任期の上限もありません。

Q 清算手続きは、どのような流れで行うのでしょうか?

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清算手続きの流れは、以下のとおりとなります。

  1. 清算人の就任後、延滞なく財産目録及び貸借対照表の作成を行います。
  2. 上記で作成した書類を株主総会で承認してもらいます。
  3. 債権者に対して、2か月以上の一定期間内に債権を申し出るべき旨の官報公告及び知れている債権者への各別の催告を行います。
  4. 官報公告後、一定期間経過後に債務の弁済を行います。
  5. 清算人(清算人会)により、残余財産の分配を決定します。
  6. 清算報告の作成を行います。
  7. 上記で作成した書類を株主総会で承認してもらいます。
  8. 清算をする株式会社(清算株式会社)は、株主総会における清算報告の承認の日から、本店の所在地においては2週間以内に、支店の所在地においては3週間以内に、清算結了の登記をします。

Q 清算には清算結了が必要と聞いたのですが、清算結了とは何でしょうか?

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清算の結了とは、清算株式会社において、清算人が行うべき清算事務の一切が終了することをいいます。具体的には、清算株式会社の債権・債務・残余財産が一切ゼロとなった状態です。もし、会社の債権が未回収である場合には、清算が結了しているとはいえないため、清算結了の登記申請は受理されないことになります。よって、清算株式会社は、清算が結了するまでは、なお存続するものとみなされています。

ちなみに、清算結了の登記の申請書には、決算報告の承認があったことを証する書面を添付します。具体的には、清算人が作成した決算報告書と、同報告書について株主総会で承認を得たことを証する株主総会議事録となります。

Q 会社を継続できる手続きがあると聞いたのですが、どのようなものなのでしょうか?

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株式会社が解散し、清算手続きを開始した後に、あらためて解散前の状態に会社を戻す手続きのことです。

解散するパターンの中で、 @定款で定めた存続期間の満了、A定款で定めた解散事由の発生、B株主総会の特別決議によって解散した場合には、解散の登記の後であっても、清算結了以前であれば、いつでも株主総会の特別決議によって会社を継続することができます。また、解散したものとみなされた休眠会社も、その後3年以内に限っては、同様に継続できます。

清算株式会社が会社継続の特別決議を行った場合には、決議効力発生日から、本店の所在地において2週間以内に会社継続の登記(役員の就任登記等も併せて)をします。