成年後見に関しまして、『よくあるご質問』をまとめました。
Q 成年被後見人とは、どのような方をいうのでしょうか?
Q 成年後見人がしなければならないことには、どのようなものがあるのでしょうか?
Q 成年後見人の職務とならないことやしてはいけないことには、どのようなものがありますか?
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成年後見に関しまして、『よくあるご質問』をまとめました。
Q 成年被後見人とは、どのような方をいうのでしょうか?
Q 成年後見人がしなければならないことには、どのようなものがあるのでしょうか?
Q 成年後見人の職務とならないことやしてはいけないことには、どのようなものがありますか?
成年被後見人とは、民法では以下のように、定義されています。
ちなみに、成年被後見人に似たような方で、
つまり、簡単にいうと、
成年後見人の就任中の職務には、大きく分けて、
財産管理事務身上監護事務家庭裁判所への報告事務その他の事務
の4つがあります。
財産管理事務
財産管理業務の中で最も基本的な事務が、通帳記帳の方法による入出金のチェックと、必要な費用の支払いです。
定期的に記帳し、定期的な収入の確認と定期的な費用の支払いが行われているか
チェックし、出納帳に記載しておきます。預金の出入れの度に預金残高の余白に理由を付記しておけば管理しやすいと思います。領収書等は、日付順にスクラップブックやノートに貼付しておきます。
成年後見人自身が本人のために費やす費用(交通費等)があれば、適宜、小口現金から支出し、金銭出納帳に記載しておきます。
本人所有の不動産の管理を行います。家屋の修繕やバリアフリーのための増改築も、成年後見人の職務となります。
一人暮らしの本人が施設に入所してしまった場合には、近所の方に迷惑がかからないように、本人の自宅の定期的な見回りや草取り、枝落としをした方がよいと思います。
本人がアパート等の賃貸物件を所有している場合は、賃借人の賃料の支払いがなければ、支払い交渉等も行います。
成年被後見人に、年金収入以外の賃料収入等の不動産所得や不動産譲渡所得等がある場合は、確定申告や納税等も、成年後見人の職務となります。
身上監護事務
毎月1回程度面接をして、本人の生活状況の把握をし日誌をつけるとよいかと思います。
後見事務を巡って何らかのトラブルがあったときに役立ちます。
なお、間違えないでもらいたいのは、成年後見人の義務は、介護そのものをすることではなく、本人に介護が必要な場合に介護を受けるようにすることです。実際には、介護保険要介護認定の申請、更新、ケアプランの作成依頼、介護サービス契約の締結、サービス内容の確認・変更等が、一般的な職務の内容となります。
【具体例】
□治療、入院等に関し、病院と契約する
□健康診断等の受診手続きをする
□住居の確保(賃貸借契約等)をする
□施設等の入退所に関する手続きをする
□施設・病院等の処遇を監視し、本人に不利益がある場合などには改善を要求する
□要介護認定(更新)の手続きや介護サービス事業者と介護サービス契約を締結する
□介護サービス等が契約どおりか確認し、異なる点がある場合には、改善を求める
□教育、リハビリに関する契約を締結する
□訪問などにより、本人の状況に変更がないか「見守り」をする
家庭裁判所への報告
家庭裁判所は、成年後見人を監督するために、後見事務の報告を求めることになっています。ですので、報告書の提出も成年後見人の義務となります。
通常は、家庭裁判所より報告の求めがありますので、その指示に従って報告書を提出することになります(報告書の書式が送られてきます)。
報告書には、必要に応じて、収支明細書、預貯金の残高証明書、通帳の写しなどを添付します。最初に裁判所に提出した報告書を参照し、最初の報告と今回の報告の変動点が分かるように財産目録等を作成します。
その他の仕事
■登記
本人の住所等の変更があった場合(例えば施設に入所等)に、後見登記の変更登記申請をします。
■相続
遺産分割協議をする場合に、家庭裁判所に特別代理人選任の申立てをします。利益相反になるからです。
■売買
本人の入院費や施設入所費等に充てるために本人所有の不動産を売約する場合には、家庭裁判所の許可が必要となりますので居住用不動産処分許可申立てをします。
■贈与等
本人の財産を、贈与や貸付等する場合には、事前に家庭裁判所に相談する必要があります。
■訴訟
本人の法定代理人として自ら訴訟行為を行います。また、弁護士・司法書士等の専門家に依頼することも職務に含まれます。
■報酬請求
後見事務を行うために必要な経費は、本人の財産の中から支出できます。
本人に面談するための電車・バス代は、旅費として経費になりますが、その範囲を超える額は日当として報酬の範囲に属しますので、これを受領したい場合には、報酬付与の申立てを家庭裁判所に行います。
報酬請求は、そのたび毎に行うのではなく、1年間程度をまとめて行います。
■その他の報告
以下の場合には、家庭裁判所に報告をします。
□財産処分、遺産分割、相続放棄等、財産管理の方針を大きく変更するとき
□本人の入院先・氏名・住所・本籍、成年後見人の氏名・住所等が変わったとき
□療養看護の方針を大きく変えるとき
成年後見人の職務とならないものとしては、以下のようなものがあります。
事実行為(介護そのもの:本人の食事・排泄・入浴・着替え等の介助)医療侵襲(身体に傷をつけたり、生命の危険を伴う個々の行為)を伴う医療行為に関する同意権居所指定権(病院や施設への入所を強制することはできません)婚姻の合意などの身分行為一身専属権(権利を持つ特定のその人しか行使する(持つこと)ことができない権利)身元引受け・身元保証(病院・施設等への入所)
また、成年後見人としてしてはいけないことには、以下のようなことがあります。
財産を混同してはいけない (本人と成年後見人の財産の区別をすること)使い込み (成年後見人自身や家族のために使ってはいけない)不適切な出費 (交通費・日当費と称して、不適切な出費をしてはいけない)本人の財産を危うくすること (投資に使ってはいけない)何もしないこと (管理を怠けるといけない)
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