知ってるようで知らない?法律用語 '09.09.28(Mon.)

 こんにちは。隈本です。



 法律の条文を目にすることは、仕事等でそのような機会がなければ、なかなかないかと思います。

 私の場合も同様で、初めて本格的に法律の条文を読んだのは、仕事上必要に迫られたからでした。
 なぜ、このような検査をしないといけないのか等、義務の根拠を調べるために、条文を当たってました。財産管理関係の仕事をしていた頃でした。

 その頃には、インターネットという便利なツールも、あまり普及していなかったため、専門業者等に電話で問合せて、いろいろと教えてもらい、そのように断片的に得られた情報を基に、六法を引いて調べるというようなことが多かったような気がします。


 実は、その際、結構、戸惑っていたことがありました。それは、条文の文言の言い回しがよく分からないということでした。
 しかし、仕事では、あくまでもその根拠調べというが目的でしたので、分からない言い回しで重要でないと思った箇所は、適当に自分勝手な解釈をして読んでいました。法律内容を追求することは目的外でしたし。

 ですが、今となって、ようやく、なるほどね!と分かってきたものも多数ありますので、もし皆さんのご参考にでもなればと思い、ほんの一部ですが紹介してみたいと思います。

 法律をよく読まれていらっしゃる方なら、ごく当然のことで、十分ご存じの内容かと思いますので、申し訳ありませんが、読み飛ばしてくださいね。



@「公布」 と 「施行」 の違いは?
 「公布」とは、国民が法令を知ることができる状態におかれることをいいます。この公布は、官報に掲載してなされることが慣例となっています。
 「施行」とは、法令の効力が現実に一般的に発動し作用することをいいます。つまり、法は、施行の時から効力を生じるわけです。通常、その法令の附則で施行の日を定めるのが一般的ですが、定めのない場合には、法律は公布の日から起算して20日を経て、条例は10日を経過した日から施行されます。
   ※蛇足ですが、「施工」は、建築・土木工事などを行うことを表す場合に用いられます。


A「及び」 と 「並びに」 の違いは?
 単純に連結する場合、「及び」を使います。(併合的接続詞)
 並列される語句が2個の場合は「及び」で結び、3個以上でも同じ段階での並列は、初め以下のつなぎを読点で、最後の語句を「及び」で結びます。
   [例] 知事及び副知事     航空運賃汽車賃車賃日当及び宿泊料
 動詞で終わる語句の次に接続詞を用いる場合は、接続詞の前に読点を打ちます。
   [例] 知事が管理し、及び執行している事務
 並列の関係が何段階かに重なっている場合には、一番小さい段階に「及び」を使い、それより大きな段階には「並びに」を使います。
   [例] 手当及び旅費の額並びにその支給方法
 併合的連結が3段階以上になるときは、「並びに」を重複して用い、「及び」は、一番小さい連結だけに用います。
   [例] 職員の給与は、生計費並びに及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業
       の従事者の給与その他の事情を考慮して、
       {A並びに(B及びC)}   {(a及びb)並びに(A及びB)}


B「又は」 と 「若しくは」 の違いは?
 単純・並列的な選択的接続詞の場合には、「又は」を使います。「及び・並びに」が「AとB」のように並列的・併合的に接続されるのに対し、「AかBか」のように選択的に接続する場合に用いられます。
 接続する語句が2個の場合は、「又は」で結び、3個以上でも同じ段階の場合は、初めの方を読点で、最後の語句を「又は」で結びます。
   [例] 知事又は副知事   戒告、減給、停職又は免職の処分
 選択の関係が何段階かに重なっている場合には、一番大きな段階のみ「又は」を使い、それより小さな段階は「若しくは」を使います。
   [例] 都道府県の支庁若しくは地方事務所又は市町村の支所の長
 選択的連結が3段階以上になるときは「若しくは」を重複して用い、最も大きな連結のみを「又は」で結びます。
   [例] ○○は販売の用に供し、若しくは営業上使用する器具若しくは容器包装若しくは
      
これらの原材料につき規格を定め、又はこれらの製造方法につき基準を定める
       ことができる。
       {A又は(B若しくはC)}   {(a若しくはb)又は(A若しくはB)}


C「善意」 と 「悪意」 の違いは?
 私法上、「善意」であるか「悪意」であるかによって、法律効果が異なる場合が多々あります。特に、民法等の条文ではよく見かけます。
 「善意」とは、ある事実や事情を知らないことです。必ずしも他人のためを思うなどの道徳的な意味ではありません。
 「悪意」とは、ある事実や事情を知っていることです。必ずしも他人に害を与えようとするなどの道徳的な意味ではありません。また、ある事実や事情の存否について、単に疑いを抱いているだけでは、悪意にならないとされています。


D「過失」 と 「重過失」 の違いは?
 「過失」とは、不注意・ミスがあったことをいいます。厳密にいうと、ある事実を認識・予見することができたにもかかわらず、注意を怠って認識・予見しなかった心理状態、あるいは結果の回避が可能だったにもかかわらず、回避するための行為を怠ったことです。
 「重過失」とは、重大な過失、つまり、重大な不注意・ミスがあったことをいいます。厳密にいうと、結果の予見が極めて容易な場合や、著しい注意義務違反のための結果を予見・回避しなかった場合のことをいいます。つまり、注意義務違反の程度が大きな過失です。人が当然払うべき注意を、はなはだしく欠いているわけです。


E「みなす」 と 「推定する」 の違いは?
 どちらも本来Aと性質を異にするBについて、一定の場合に限り、Aと同一視することです。
 しかし、「みなす」は、Aという反証を許さない点で「推定する」と異なります。つまり、「推定する」は、「みなす」と異なり、反対の証拠があれば、その推定を覆すことができます。


F「科する」 と 「課する」 の違いは?  同じく「科料」 「過料」 の違いは?
 「科する」は、刑罰・民事罰・団体規則的な罪をかける場合に用います。
   [例] 100,000円以下の過料を科する。
 「課する」は、公権をもって租税その他の公用負担をかける場合に用います。
   [例] ○○を課税標準として事業税を課する。
 「科料」は、刑罰の一種として科せられます。刑罰のうちでは最も軽いものとされています。
 「過料」は、刑罰でなく一種の行政処分であって、秩序罰としての過料、執行罰としての過料、懲戒罰としての過料などがあり、刑罰たる罰金及び科料と区別して用いられます。



G「直ちに」 と 「延滞なく」 と 「すみやかに」 の違いは?
 いずれも、特定の行為又は事実とその後に続く行為との時間的近接を示す語として用いられます。
 「直ちに」は、一切の遅延を許さない時間的即時性の強い場合に用います。
   [例] ○○のおそれが生じた場合は、直ちに消火しなければならない。
 「速やかに」は、「直ちに」よりも時間的急迫性のゆるい場合及び訓示的意味を持つ場合に用いられます。
   [例] ○○を実施したときは、速やかに報告しなければならない。
 「遅滞なく」は、「直ちに」「速やかに」と同様、時間的即時性を表す語として用いられますが、この場合でも正当又は合理的な理由による遅滞は、許容されるものと解されています。
   [例] ○○の事項に変更があったときは、遅滞なく、その旨を届け出なければならない。


H「以上」 と 「超える(超過)」 、 「以下」 と 「満たない(未満)」 の違いは?
 いずれも一定数量を基準として、その数量よりも多いか少ないかを表す場合に用います。
 「以上」「以下」の場合は、いずれも示された基準自体を含むことになります。例えば、「1万円以上」「1万円以下」は、いずれも1万円を含むことになります。
 「超える(超過)」「満たない(未満)」は、基準の数量を含まない場合に用います。例えば、「1万円を超える金額」「1万円を超過した額」「1万円に満たない金額」「1万円未満」は、いずれも1万円を含まないことになります。


I「から」 と 「より(も)」 の違いは?
 「から」は、時及び場所の起点を示す場合に用います。
   [例] 4月1日から4月10日まで、申請者から申出のあったとき、識見を有する者のうちから
 「より(も)」は、時及び場所の起点を示す場合には用いず、比較を示す場合にだけ用います。


J「期間」 と 「期限」 と 「期日」 の違いは?
 「期間」とは、一定の時間的隔たりの長さ、すなわち始期から終期での間をいいます。
   [例] 4月1日から12月31日まで   1年間
 「期限」とは、一定の時期を限った場合の日時をいい、始期と終期があり、始期以後又は終期以前における不定の時間的な広がりを持っています。
   [例] 12月31日までに   公布の日から10日を経過した日から開会の日前7日までに
 「期日」は、「期限」が不特定の時間的長さを含むのに対し、その時期が一日の間に特定される点が異なります。
   [例] 4月1日に   ○○に関する法律の施行の日に


K「認可」 と 「許可」 の違いは?
 「認可」とは、ある人の法律上の行為が、公の機関の同意を得なければ有効に成立することができない場合に、その効力を完成させるため公の機関の与える同意をいいます。
   [例] 農地法の認可、社会福祉法人・学校法人の認可
 「許可」とは、一般的禁止行為を公の機関が特定の場合に解除し、適法にこれをすることができるようにする行為をいいます。
   [例] 飲食店、建設業、運送業、リサイクルショップ、一般廃棄物の収集運搬業の許可


L「管理」 と 「監理」 の違いは?
 「管理」は、事務を処理執行すること、事業を経営し物的設備の維持管理をなすこと、私法上財産の保存・利用・改良を図ること等の場合に用います。
 「監理」は、「監督」とほぼ同義で、主としてある人又は機関の行為が不法・不利に陥らぬよう監督し、指揮統制する場合に用いられます。


M「違法」 と 「不法」 の違いは?
 「違法」は、法令に違反することで、適法の反対、法令違反という形式的な面をとらえて用います。
   [例] 行政庁の違法な処分
 「不法」は、違法に比べて、実質的、主観的な面に重点を置いた場合に用います。
   [例] 不法に○○料金を免れ


N「規程」 と 「規定」 の違いは?
 「規程」は、一法規の総体を指す場合に用います。
   [例] 文書管理規程
 「規定」は、法規の中における個々の条項(定め)を指す場合に用います。
   [例] ○○条例第○条の規定において   前条に規定する○○が


O「権限」 と 「権原」 の違いは?
 「権限」は、広く用いられる法令用語で、国、地方公共団体、各種法人又は個人の機関(又は代理人)が法律上若しくは契約上なし得る行為の能力又はその範囲をいいます。
   [例] 知事の権限に属する事務   代理人の権限
 「権原」とは、ある法律行為又は事実行為をすることを正当とする法律上の原因をいいます。民法上、所有権者に対し、地上権・賃借権などを有する者の法律関係を表す場合の用語として多く用いられます。
   [例] ある土地の上に樹木を植栽することは、植栽者がその土地の所有権者や
       土地の利用権者(地上権者・賃借権者)の場合には、それは正当な権原である。


P「委託」 と 「委任」 と 「委嘱」 の違いは?
 「委託」は、ある機関が、その権限に属する事務や業務を、対等の関係にある他の機関や一般人に依頼して行われる場合に用います。
   [例] 調査事務の委託
 「委任」は、ある機関の権限に属する事務や業務の一部を、これと特別の権力関係にある機関(主として下級庁)等に行わせる場合に用います。
 「委嘱」は、主として他の機関の職員や一般人等の個々の人を相手に、ある程度包括的な事務を依頼する場合に用います。


Q「記名」 と 「署名」 の違いは?
 「記名」とは、文書などに作成者(作成名義人)の責任を明らかにするため、氏名を書くことをいいます。「署名」とは異なり、他人が書いても、印刷しても構いません。この場合は、通常印を押すことが多いです。
 「署名」とは、上記の文書などに、自らその氏名を書くことをいいます。この場合には、一般には押印を要しないことが多いです。


R「原本」 と 「謄本」 と 「抄本」 と 「正本」 と 「副本」 の違いは?
 「原本」とは、作成者が一定の内容を表示するため、確定的なものとして最初に作成した文書をいいます。作成者自らの署名押印を要し、一定の場所に保存することが必要です。
 「謄本」とは、原本に対する語であって、原本と同一の文字・符号を用いて内容を完全に写し取った書面をいいます。権限のある機関が、原本の内容と同一である旨の認証をしたものは、原本又は正本と同様に扱われます。
 「抄本」とは、抄録謄本のことで、原本の一部を原本と同一の文字・符号によって写し取った書面をいいます。  
 「正本」とは、謄本の一種であって、法令の規定に基づき、権限のある者によって、特に正本として作成されたものをいいます。法令の規定により原本を一定の場所に保存することを要する文書について、その効力を他の場所で発揮させる必要がある場合に、原本と同一の効力を有するものとして作成されます。例えば、訴訟の当事者に判決を送達したり、執行文を付与する場合には、判決の正本が用いられます。正本は、原本の一部についても作成されることがあります。副本に対する用語として用いられることがあります。
 「副本」とは、正本に対する語で、ある文書の本来の目的以外の目的に用いるため、正本と同一内容の文書が作成される場合に、これを副本といいます。副本は、謄本のようにまず原本があって、それに基づいて作成されるのではなく、初めから正本と同一内容のものとして作られる点において謄本と異なります。


S「価格」 と 「価額」 、 「額」 と 「金額」 の違いは?
 「価格」は、一般的又は抽象的に物をとらえて、その金銭的価値を表す場合に用いられます。
 「価額」は、この物、この財産というように、具体的に特定した物の金銭的価値を表す場合に用いられます。
 「額」は、一般的又は抽象的に金銭的数値を表す場合に用いられます。
 「金額」は、具体的に特定した金銭的数値を表す場合に用いられます。



 どうでしたか?
 結構、紛らわしいものが多いですよね。




 それでは、今日の日記は、これで失礼いたします。

'09.9.28(Mon.)

この記事へのコメント
非常に役立ちました。
Posted by 鎌田健蔵 at 2015年02月22日 19:17
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