こんにちは。隈本です。
当事務所のホームページは、司法書士受験生の方々も結構見られているようで、メール等でのご質問をたまに受けることがあります。
そこで、今日は、今まで受けた質問とその回答を、差し障りのない範囲でいくつかピックアップして、ご紹介したいと思います。
Q1
今後の勉強はやっと全講義が終ったところなので、補助者で勉強させていただきながら、朝又は夜に勉強をと考えております。どうでしょうか?
A1
補助者をしながら勉強するというのは、一見すると、非常に効率的なように見えますが、実際は、そう断言することはできないと思います。
補助者で習得するものは、実務的なものばかりなので、手続法に関しては、ある程度、有効かと思われます。
しかし、実体法が、どうしても手薄になりがちになるのではないでしょうか。
また、補助者には、当然のことながら残業もあるため、勉強時間の確保がどうしても取れずに、苦労しているという話も、同業の補助者からよく聞きます。
ですので、補助者をしながら勉強するというのは、ある意味、他の仕事をしながら勉強するのより、同種の仕事をしながら勉強ができて一石二鳥という変な先入観から有利だと思われがちですが、不利になる場合が多いのではないかと感じます。
もし、短期合格を目指すのであれば、専業で勉強をするのが一番よいかと思います。
この試験は、勉強が長期にわたると、どうしても、いろいろな弊害が出てきます。費やした時間・金銭や精神面で。
ですから、できるだけ短期合格が望ましいでしょうね。
ただ、皆さんそれぞれ事情がおありでしょうから、働きながらの勉強も、それはそれで仕方ないでしょう。
ですが、働くのが補助者としてだから、試験の合格が早くなるといった考えは、一切お持ちにならない方がよいかと思います。
(質問者)Aさんがおっしゃるように、仕事と勉強の両立は、そうそう簡単なことではないと思いますので、その辺りを十分に、ご自身でご検討してみてください。(例えば、専業受験勉強の息抜き程度に、勉強を兼ねて事務所を手伝うという方法も、ありなのかもしれませんね)
Q2
自分は中学卒業から親の仕事を手伝っていますので学歴は中卒なんですが、高卒以上でないとだめ(受からないの)でしょうか?
A2
私の知り合いの方で、中卒で司法書士試験に合格した方がいます。ですので、ダメなんてことは全くありません。
その方は、積極的にまとめ役をやられたりと、学歴がどうだと感じることなんてまったくありませんでした。
また、司法書士となっても、学歴に縛られることは一切ありません。
ただ、一言付け加えておきますと、その方は、こうおっしゃってました。(奥さんとお子さんがいっらしゃるご家庭でした)
すごい話でしょ?
学歴がどうのこうのという以前に、その人の試験に対する姿勢に頭が下がる思いでした。
私は、その方を尊敬していますし、今でもお付き合いさせてもらっています。
学歴がどうのという話ではなく、どれだけ試験勉強に真剣に取り組むことができるかということが大事だと思います。
要は、本人のやる気次第ですよね。
Q3
先生は仕事をしながら試験勉強をしてらっしゃったようですが、休みの日は、どのように過ごされていたのですか?
休日は一日中、勉強をしていたのでしょうか?
A3
休みの日は、原則、一日中、勉強です。
平日は仕事のため、勉強時間がまとめて、なかなか取れなかったので、休みの日に時間を確保していました。
ですので、一日中勉強してました。
休憩は、お昼ぐらいだったでしょうか。
やはり、それぐらい勉強しないといけない試験だと思ってましたし。
ただ、しなかった?できなかった?日もありましたよ。
ですので、平日、勉強時間が取れるようでしたら、休日の過ごし方は、多少変わってくるのでしょうけど、やはり、個人的には、休日は勉強すべきだと思います。
それと、(質問者)Bさんの経歴のご紹介、ありがとうございました。
いろいろと勉強大変でしょうが、頑張ってください。
そして、合格した暁には、一緒に司法書士として、皆さんの役に立っていきましょうね。
社会には、法律を知らなかったために、困っている方がたくさんいます。
そして、そんな方達の手助けをしてあげられるのが司法書士です。
一緒に仕事ができることを、楽しみにしています。
がんばってください。
Q4
現在司法書士の受験生です。もう数年もやっているのですがなかなか結果が出ない状況です。
A4
数年、頑張っていらっしゃる司法書士の受験生は、多数いるとよく聞きます。
(質問者)C様も、お仕事をしながら勉強を進めていらっしゃるんですね。
私も仕事をしながら、合格するのに数年かかりました。
この試験は、本当に大変な試験です。
おそらく、自分の人生の中で一番勉強したという、変な思い出?ができる試験のはずです。
ですから、ご苦労も多々あると思いますので、これから、勉強を進める上で、何か困ったことや、ご質問があれば、お気軽にご連絡下さい。
可能な限り、C様のお力添えができればと思っておりますので、今後とも、よろしくお願いします。
Q5
書式で、以前でしたら「保存」「移転」「設定」等を確実に書ければよかったのですが、今は、「出来ない理由」や問題・別紙が長く複雑になっているため時間との戦いでミスだらけになっています。書込んで慣れるしかないでしょうが、書式を書く上での見方・読み方・注意点等を教えて頂けたらとおもいます。
A5
書式を書く上での見方・読み方・注意点等ではないのですが、私がやっていた方法を、とりあえず3つほど紹介します。
①早く解くことを、常に心がける
書式(記述式)試験は時間との勝負です。時間を気にするあまり、時間配分がうまくかず、パニクってしまうことも容易に予想できます。
ですので、通常の勉強の時から、常に頭の回転(思考)を早くする練習をするべきだと思います。
厳しい制限時間を決めて、必ずその時間内で解くという勉強を常日頃からやってみてください。
また、定型的な書式は、瞬間的にかけるようにしておいた方がいいと思います。試験中に、考えながら・悩みながら解いていると、時間不足の原因となるからです。
②添付書類の一覧表をメモしておく
I塾で教えていた方法ですが、問題を解く前に、適当な余白に以下のように、漢字14個を書いておきます。
原 (登記原因証明情報の頭文字のこと) (共) (共同担保の頭文字のこと)
登 (登記識別情報or登記済証 〃 ) 前 (前登記証明書 〃 )
印 (印鑑証明書 〃 ) 一 (一般承継情報 〃 )
住 (住所証明情報 〃 ) 可 (許可書 〃 )
資 (資格証明情報 〃 ) 同 (同意書 〃 )
代 (代理権限証明情報 〃 ) 承 (承諾書 〃 )
(写) (申請書の写し 〃 ) 代 (代位原因証明情報〃 )
『げん・とう・いん・じゅう・し・だい・しゃ』 『きょう・ぜん・いち・か・どう・しょう・だい』
文字の説明は、右横に書いておきましたので、参考にしてください。
これを見ながら、添付書類の見落としがないか等を確認するわけです。
あとは、これを自分なりにアレンジして使われればいいかと思います。
私は、添付書類ではないのですが、これに「共有者持分全部移転」等を書き足していました。よく、「所有権移転」とミスしていたものでしたから。
③蛍光マーカーを使う
試験では、マーカーの持参が可能かと思います。
私は、勉強していた時にマーカーの使い方を決めていました(現在も同様にしています)。
使い方は、私の事務所のHPに書いてあります。
http://www.kuma-office.jp/article/13513998.html
例えば、緑は用語・その解説に、青は肯定・書類名、ピンクは否定、オレンジは条文関連、黄色は最重要という感じですが、それを試験に応用して、書類関係は青、欠陥事項やまずい点があればピンク、絶対重要な点は黄色・・・・・・・というように、取りこぼしやミスを防ぐため、視覚的に峻別できるようにしていました。
手間はかかりますが、なれると、意外とミス防止に効果的です。
Q6
また毎年この時期(年末)は、やっていることはこれで良いのか?不安になっているのも事実ですが、この時期のアドバイスもよろしければお願いします。
A7
夏から今までの時期は、総復習や苦手分野の克服、ある程度の応用的な理解力をつける等の勉強だったかと思います。
年明けてからは、答練が本格的に始まりますので、他の受験生方は、本番を見据えた勉強に転換する時期です。
年明けてからは、あまり応用的なことには深入りせず、基本の繰り返しをすべきだと思います。
この繰り返しがなかなか大変なのですが、天才の肌の方は別として、自分を含めて一般の方は、反復しないとどうしても記憶に残りませんので、致し方ありません。
また、もし、金銭的にある程度余裕があるようでしたら、答練を受講されるといいのではないでしょうか。
私も答練は1月から受けていました。
ペースメーカーとして勉強のマンネリ化を打破できますし、自分のレベルや他の受験生のレベルも分かりますので、いい刺激になるかと思います。
ただ、週一のペースなので、かなり時間に追われることになりますので、答練に振り回されるようでしたら、止めておいた方がいいかもしれませんが。
私もそうでしたが、受験生の皆さんは、勉強方法を悩みながら、苦労しながら取り組まれています。
いろいろな方のやり方を参考にしながら、自分なりにベストな方法を見つけて、勉強に頑張ってください。
努力したことは、必ず報われます。
それでは、今日の日記は、これで失礼いたします。
'09.12.10(Thur.)